どうも、コグレです。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金って借りている人けっこう多いですよね。
僕も4年間、月額54,000円、総額2,430,000円をお借りし、毎月13,500円ずつを15年間かけて返しているところです。周りでもJASSOで奨学金を借りている人は結構いましたが、「まだ返済中…」という人もいれば、「繰上返済しちゃった☆」って人もいたり、人によって返済スピードが全然違うんですよね。
この奨学金の「繰上返還する・しない」については、結論から言えば、私はどちらの選択も有り得ると思うのですが、安易に繰上返還を選んでしまっている人も多い気がしますので、待った!をかけてみたいと思います。
繰上返還のメリット・デメリット
まず、繰上返還のメリットは以下2点でしょう。
①気持ちがいい(第一種・第二種)
②利息の支払いをしなくてよい(第二種)
※平成16(2004)年度までに貸与開始した場合は一括返還による報奨金がありますが、この記事は平成17年以降の貸与開始を前提として書いています。
第一種奨学金(無利子)と第二種奨学金(有利子)に共通する繰上返還のメリットとして、気持ちの問題があると思います。人によって感じ方が随分と異なるところですね。逆に言うと第一種奨学金の場合はこれくらいしかメリットはありません。
第二種奨学金(有利子)の場合は繰上返還することにより、利息の支払いが必要なくなるという分かりやすいメリットがあります。
次にデメリットは以下1点でしょう。
③手元のキャッシュが減る
キャッシュが減るということは、そのお金で出来る色々なことが出来なくなるわけですから、機会費用として考えないといけないです。
利率はかなり良心的
メリット・デメリットが分かったところで、それぞれを数値的に比較してみましょう。
まず第二種の場合の利息ですが、非常に良心的に設定されています。2018年3月貸与終了者に適用される金利で見ると、固定で0.27%、変動に至っては0.01%です。金融政策の影響で現在が特別低いということはありますが、常に市中金利より格段に低く設定されています。
2018/03
貸与終了 |
|||
---|---|---|---|
平成19年4月 以降の採用者 |
基 本 月 額 |
利率固定 方式 |
0.27 |
利率見直し 方式 |
0.01 | ||
増 額 部 分 |
利率固定 方式 |
0.47 | |
利率見直し 方式 |
0.21 |
ではメリット②「利息の支払いをしなくてよい」とデメリット③「手元のキャッシュが減る」を分かりやすく比較するため、2018年3月現在の金融商品の利率を見てみましょう。なぜなら、手元のキャッシュがあればその資金を投じて、金融商品を買うことができるので、その利益がこの場合の機会費用として考えられるからです。
ざっとですが、2018年3月現在の利回りは以下のような感じです。
個人向け国債(変動10年):0.5%
J-reit:4%前後
ソーシャルレンディング:4%~8%程度
例えば、元本保証で流動性もある個人向け国債(変動10年)であれば、下限が0.5%と定められていますので、どれほど低金利下であっても0.5%はもらえます。仮に3,000,000円を利率見直し方式で借りている場合には、繰上返還をせずに全額を国債購入に充てれば金利差分の0.49%(14700円)を毎年貰えることになりますね。(正確には元本が減るため毎年少しずつ金額は少なくなります)。
少しリスクをとって、ソーシャルレンディングの担保付案件などに分散投資して、利回り4%程度で運用できたとすると、毎年3.99%(119,700円)分を増やすことが出来ます。けっこう大きいですね。
仮に利率見直しが行われ、利率が上がるような場合は、市中金利も上昇していますので金融商品の利率も同じように上昇し、イールドギャップは大きく変わらないと考えられますが、場合によっては資金を引き上げ、繰上返還することも可能です。
以上のように、「利息を支払わなくても良い」というメリットよりも遥かに、「手元のキャッシュが減る」ことのデメリットの方が大きいと言えると思います。第一種の場合はなおさらのことです。
そうは言っても気持ちの問題は大きい
だからと言って、繰上返還が絶対に悪手だとは思いません。
やはり借金をしているというのは精神衛生上、良くありませんし、全額返還することで感じる気持ちよさはプライスレスです…。
一括返還の気持ちよさ > 金利差分による利ざやの期待値
ならば、一括返還してください。
僕の場合
僕は第一種奨学金を借りており、就職したての頃は繰上返還するつもりでいました。しかし、その後、考えを改め、繰上返還はせずにソーシャルレンディングで分散投資しています。今のところ順調に利益が出ていますが、リスクをあまり取りたくない方にはおすすめしません。ただ、日本学生支援機構は返済が滞っても無理な取立てをされる訳でもないですし、そういう意味では良い投資のチャンスだと思いますけどね。
少なくとも個人向け国債でも良いから、繰上返還せずに投資に回したら良いのになぁとは思っています。
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他にもこんな視点がある
以上のこと以外にも、以下の点で繰上返還しない方が良いと言うことができます。
- 繰上返還せずに手元にキャッシュを残しておくことでいざという時の生活防衛費てられる。
- 万が一、死亡したときに返還免除になる。(一種の保険としての機能)
- インフレ(名目)下では繰上返還しない方が得策であり、今後はインフレ(名目)がしばらく継続すると思われる。
奨学金を機会に、有利な資金調達(奨学金)で、良い投資先を探して、利ざやを得るということを経験してみることをオススメします。
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